乳牛の乳房炎は長年にわたり酪農業界で大きな問題となっており、その制御は依然として困難な課題です。
はじめに
乳牛の乳房炎は、病原微生物の感染によって引き起こされる疾病で、乳質や泌乳量の低下を招き、酪農経営に大きな打撃を与えます。
日本国内で飼養される乳牛の頭数は減少しているにもかかわらず、乳房炎を含む泌乳器病の発生率は減少していません。近年の獣医療技術や衛生技術の進歩にもかかわらず、乳房炎の防除は依然として困難です。2018年度の農林水産省家畜共済統計によれば、乳牛等に関連する病傷事故は約132万件、その中で乳房炎の発生は約38万件に上り、全体の約3割を占めています。

知っていますか?乳房炎の発症原因
乳房炎の主な原因は病原微生物の乳房内への侵入です。加えて、飼育環境や搾乳方法、牛自身の免疫機能や乳頭の形状も発症に寄与します。乳牛の生活環境には細菌が侵入・増殖しやすい状況が整っており、これが乳房内で増殖して乳房炎を引き起こします。
乳房炎を引き起こす微生物
“乳房炎の原因菌は、①伝染性乳房炎の原因菌と②環境性乳房炎の原因菌の二つに分類されます。
伝染性乳房炎:搾乳者の手指や搾乳器具を介して伝染します。主な原因菌は黄色ブドウ球菌や無乳性連鎖球菌です。
環境性乳房炎:土壌や糞便、牛床の敷料に存在する原因菌が原因となるものです。大腸菌群(大腸菌やクレブシエラなど)や環境性連鎖球菌が含まれます。”

押さえおきたい乳房炎治療方法と問題点
酪農現場では抗菌薬を使った化学療法が一般的ですが、適切な抗菌薬が使用されない場合や治療が不成功に終わることもあります。抗菌薬の過剰使用は薬剤耐性菌の出現を招く問題を引き起こします。抗菌薬の使用については、最近社会問題としても取り上げられることが増えています。
議論が続く 乾乳時の抗菌薬投与について
乳房炎が発生しやすい乾乳期と分娩前後には、乾乳軟膏の使用が一般的です。しかし、抗菌薬の過剰使用は薬剤耐性菌の出現リスクを高めるため、使用方法について議論が続いています。

日々意識することが大切 乳房炎予防の重要性
乳房炎を予防するには、病原因子、環境性因子、宿主因子のいずれかを減らすことが重要です。搾乳衛生を守り、飼養環境を清潔に保つことで、伝染性乳房炎や環境性乳房炎のリスクを下げることができます。また、乳房炎ワクチンの活用も治療の必要な牛を減らし、抗菌薬使用の機会を減らすことが期待されます。
乳房炎予防においては、基本を忠実に守り、牛を健全に飼育することが最大の予防効果に繋がります。この認識を共有することが、生産者や酪農関係者にとっても重要です。
【9割の人が知らない】乳房炎を早期発見できる最新ICT機器
乳房炎を早期に発見することで、抗菌薬を投与せずに快復させることができます。最新のICT機器である「CAPSULE SENSE」は、牛の胃の中から体温を計測します。目視では発見できない牛の急激な体温上昇を検知できるため、乳房炎に罹患した牛を重症化する前に早期発見することが可能です。
重症化する前に乳房洗浄を行うことで、抗生物質の投与を行わずに牛を快復させることができ、生乳の出荷停止期間を短縮できます。「CAPSULE SENSE」の導入により、乳房炎により廃用となった牛が前年比で1/5に減少し、損失を減らした実績もあります。
「CAPSULE SENSE」は乳房炎(疾病)のみならず、分娩や発情の検知も可能な万能ツールとして評判です。今ならお試しキャンペーンを開催中です。
お試しキャンペーン実施中
⇩今すぐバナーをクリック⇩